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もう日盛りの時刻はとつくに過ぎていたとは云へ、半ば傾いてそのためによけい濃くなつた日ざしは河原町の上に、それに沿つてゆるく曲つた川、周囲の山地の上に、こゝぞといふ風に照りつけていた。
別に会ふ気がなかつたから、と云ふ代りに、
「それあ、あんた」
「いや別に忙しいこともありませんですよ」
「うん、もうさつき帰つたよ」
「さうよ。てめえはその大将だらう」
「さうかよ。おれは又、河原町を通るんだとばつかり思つた」
「千光寺さんに使ひをやつたのかい。――誰もまだ行かないつて?――何あんて間抜けだのう。庄どん、お前一つ行つて来とくれ。提灯ちやうちんを忘れるなよ。もう皆さんがお集りですからお迎へに上りました、つて云ふんだよ。うん、うん、さうよ。いつしよにお伴をしておいで」
「へえ。――ズブツとね」
「何にしても、えらいこつてしたなあ」
「小倉組の連中が来たちふぢやないかね。ほんとうかね」
「それからね」
と、いきなり云つた。